21:16 >Hooky<   21:16 >Hooky<   21:16 >Hooky<   21:17 >Hooky< プールからの帰り三々五々に別れ帰路に着く。 21:17 >Hooky< 寮〜学園前駅へ向かう電車内できのは一人の少女を見つける。 21:17 >Hooky< プールにも来ていた緒方真尋だ。 21:17 >Hooky< ガタゴトと揺れる車内、なにやら彼女の様子がおかしい… 21:17   21:18   21:18   21:18 【きの】(……さて、今日はなかなか、面白い人間関係を見せていただきましたが……おや、あれは……?)と、車内にいる、様子のおかしい少女を見つけて、首をかしげつつ。少し近寄ってみて 21:19 >Hooky< 少年が真尋に近づこうとしたとき、様子がおかしい原因がわかる。 21:20 >Hooky< うつむいたまま、顔を赤らめ、小声で『止めてください』と言っている 21:20 >Hooky< …どうやら痴漢に遭っているようだ。 21:23 【きの】(なるほど、それは様子がおかしくなるはずです。さて、こういうのは現行犯で抑えないと意味がないですからね……)などと考え、携帯電話を取り出し、音を消しカメラモードをセットして 21:23 そのまま、すとすと近づいていく。すとすと、すとすと 21:25 >Hooky< きのが近づく間にも、真尋の目の端にどんどん涙が溜まっていくのが見える。 21:27 【きの】「……さて、その辺にしましょうか?」と、痴漢を行っている側がばっちり映るように、写真を撮ってから、痴漢の手を掴んで。にこり、とそれはもういい笑みで話しかけて 21:28 >Hooky< きののその言葉にざわつく車内。うろたえる痴漢。当の真尋は突然の開放にキョトンとしている。 21:30 >Hooky< 痴漢はといえば、どこにでも居るような会社員風の中年男性。 21:31 【きの】「あまり感心しませんねえ。こんな夕方とはいえ、堂々と。貴方にも家庭や立場があるでしょうねえ? いやあ、実に残念です。貴方の立場を脅かさなくてはならないなんて、ああ、僕はとても心苦しいのですが……」などと、耳元で、中年男性にだけ聞こえるように「……今後、こんなことをしない、と誓うなら、今回はみのがしてあげますよ」と、言葉を続けて 21:31 >Hooky< 【痴漢】「な、なにを言ってるんだキミは」狼狽から立ち直ると、開き直ったようにきのを睨みつける。 21:33 【きの】「ふむ。最近は、世の中は便利になりましたよね。情報漏洩とか……ファイル共有ソフトでしたっけ。あれを使うと個人の情報とともに色んなものを流出させることができますよねえ。例えば、写真とか、例えば、名前とか。いやあ、怖い世の中、ですよねえ」にこにこにこ、と笑顔でたたみかけるように、たとえ話を一つしつつ。 21:34 >Hooky< 【痴漢】「ふ、ふん。失敬な男だ」痴漢はモゴモゴと口の中で言うと、きのの手を振り払い、こそこそと別車両へと移っていった。 21:36 >Hooky< 痴漢の退場とともに車内のざわめきはおさまっていく。 21:36 【きの】「……おやおや。随分と小物のようですねえ」やれやれなどと首をふりつつ「……それで、大丈夫でしたか? ええと、名前はうろ覚えですが、真尋さん、でしたか?」」 21:38 >Hooky< 【真尋】「は、はい。あの。ありがとうございました」混雑した車内で器用に頭を下げつつ「はい。緒方真尋です。忌野さん、ですよね?」こちらも確認するように。 21:39 【きの】「ええ、そうです。……とりあえず、この車両は居心地が悪くなってしまったので、違う車両にいきましょうか」と、男が去っていった方とは別の車両を示しつつ 21:41 >Hooky< 【真尋】「あ、はい。でも良かったぁ、助けてもらえて」安堵の息を漏らしつつ、移動の提案に従う。 21:42 【きの】「いえいえ。さすがに車内で僕たちの力、を、もしも、使うような事態になっては大惨事ですからね」などと小声で囁きつつ、隣の車内へ移動をすすめて 21:44 >Hooky< 【真尋】「こんなところでワーディングとかしたら大事故ですもんね」悪戯っぽい笑みを浮かべて。 21:46 【きの】「ええ、上から大目玉、ですよ?」などと微笑みつつ「そんなことになっては、側に居た僕の責任問題にもなりますし、ね」くす、と笑い 21:52 >Hooky< そうこうしていると、車内アナウンスが奇妙な節で停車駅を告げる。 21:52 >Hooky< 【アナウンス】『次は学園前〜学園前〜』 21:53 【きの】「……おっと、ここで降りる必要がありますね」と、アナウンスに耳を傾けて「というわけで、降りるとしましょうか。折角の移動が無駄になってしまいましたが」などと、苦笑しつつ 21:55 >Hooky< 【真尋】「あ、じゃ、これ」」と言ってバッグから取り出したのはチョコスナック菓子の箱。「あの、これ。ちゃんとしたお礼したいけど、今はこれしか」申し訳なさそうにうつむきつつも「まだ、だいぶ残ってるから」とフォローでもするかのように真面目な顔で 21:57 【きの】「ああ……お気持ちは嬉しいですが、僕は甘味はあまり……ですので。その、ちゃんとしたお礼、だけで手を打ちましょう」と、そっと手でその箱を押し戻しつつ「それに、こういう風にいうと、お礼せざるを得なくなりますからね」と、冗談めいた笑みをうかべて 21:58 >Hooky< 【真尋】「え、あ、ごめんなさい。じゃあ、次はちゃんとしたお礼しますから」凄い勢いで頭を下げる。 21:59 【きの】「ええ、では、そういう方向で」くすり、と笑い「まあ、ここから、寮までは多少同じ道ですし、一緒にいきましょうか。今度は露出狂に襲われるかもしれませんからね」などと、笑えない冗談を 22:03 >Hooky< そんな言葉ともに電車を降りる。多くの乗客の流れに混ざる二人のオーヴァード。 22:03 >Hooky<   22:03 >Hooky<   22:03 >Hooky<   22:04 >Hooky< 〜翌日〜 22:04 >Hooky< 22:05 >Hooky< 学校。多少退屈ではあるもののオーヴァードにとっては大切な日常の場所。 22:06 >Hooky< 普通の生徒とともに、普通の授業を受け、普通に暮らす。その得がたい場所。 22:08 >Hooky< 放課後のグラウンドで、きのは一人、体操服で体育用具の後片付けをしている真尋を見る。 22:09 >Hooky< カゴいっぱいに入ったバレーボール。真尋はその脇で、ネットを畳むのに四苦八苦している。 22:11 【きの】「……おや。こんにちは、真尋さん」と、今回は特に何も声をかけるのに躊躇う状況ではないので、普通に挨拶をする。 22:13 >Hooky< 【真尋】「あ、忌野センパイ」手を止め、きのに向き直ると「昨日はどうもでした。お礼はもうちょっと待ってて下さいね」無邪気な笑みでそう返す。 22:14 【きの】「ええ、気長に待つとしますよ」と、昨日と同じような笑みを浮かべつつ「……ところで、今日は何をしているんです?」と、疑問を持った口調で尋ねつつ 22:16 >Hooky< 【真尋】「体育の授業の後片付け。当番の子が『予備校あるから』って。交代したの」見て判るでしょ?とでも言いたげな口調。 22:17 【きの】「ああ、なるほど」と、頷き「いえ、色々な状況が考えられたもので、あえて尋ねてみた次第です」と、同じクラスのクラスメートを思い浮かべつつ 22:20 >Hooky< 【真尋】「『いろんな状況』…べ、別に虐められてるとかそんなんじゃ無いよ!?」慌てた様子で否定する「…そりゃ、この4月からずっとだから『便利に使われてる』って思わないでも無いけど…」 22:21 【きの】「それでも、頼りにされている、のと、迫害されている、のとでは話が違いますからね」やれやれ、と首を振って「まあ、ともあれ、クラスの人にとけ込めているならば、先輩、としては好ましい話ですね。同僚、としても、ですが」くすり、と笑い 22:23 >Hooky< 【真尋】「とけ込めてる、かぁ。…センパイはとけ込めてるの?」再びネットを畳む作業に移りながらの質問。 22:25 【きの】「そうですねえ……同姓相手にはなかなか、受けはいいのですが……」と、間をおき「異性にはうさん臭がられるというか、特定の行動のおかげで、少しばかり煙たがられている、という所でしょうか」悩みの種なんですよ、などといいつつ 22:26 >Hooky< 【真尋】「特定の行動って、センパイ、なんか変な癖でもあるの?」からかうような笑みを浮かべる真尋。ネットは畳み終わり、ボールでいっぱいのカゴの上に。 22:27 【きの】「そうですねえ、”女子”から”いぢめられている女子”と”普通”に接してる、くらいでしょうか」と、さらりといいのけて 22:30 >Hooky< 【真尋】「あはは。なんかイメージぴったりかも」と、きのを楽しげに見つめ「じゃ、ついでにお願いしてもいいかな?」 22:31 【きの】「そういうイメージなのでしょうかねえ」などと相づちをうちつつ「……お願い、ですか? 聞くだけなら、いくらでも聞きますが」 22:31 >Hooky< 【真尋】「これ、結構重いんだ」カゴの取っ手に手をかけながら、もう一方の取っ手に目を向ける。 22:34 【きの】「ふむ。僕はそういう重労働には向かないのですが」と、そちらを観つつ「まあ、後輩の頼みは、聞いてあげるべきでしょうね」などといいつつ、取ってを掴み 22:37 >Hooky< 【真尋】「ありがと。お礼増やさなくちゃ、かな」ニコリと微笑む。二人がかりで持ち上げるとカゴは確かにそこそこの重量があった。 22:39 【きの】「これは、かなり期待していいのでしょうかね、そのお礼は」などと、冗談を口にしつつ「……それにしても、これを一人でやるとなると、かなりのもの、でしたねえ」と、筋力のない少年にはなかなか重労働のようで 22:40 >Hooky< 【真尋】「いつもは引きずってるの」悪戯を見つかった子供のようにばつの悪そうな笑顔。そしてカゴを運ぶかたわら、真尋はさらに質問を重ねる。 22:40 >Hooky< 【真尋】「ねね、その虐められてる子、ってセンパイの彼女?」興味津々といった様子で目を輝かせて。 22:41 【きの】「いえ、彼女、ではありませんが……そうですねえ……」しばし、考えて「……言うならば、友人、ですかね、やはり。観ていて楽しい友人ですよ」にこり、と微笑み 22:44 >Hooky< 【真尋】「友人かぁ。いいな、そういうの」声に羨ましそうな響きが混じる「なんかあたしって、普通の子達の話に付いていけなくて」カゴを運ぶ歩みも少し遅くなる。 22:45 【きの】「まあ、こちらは……一方的に、僕がそう想っているだけ、かもしれませんがね」苦笑しつつ、達観したような、そのような表情を浮かべて「僕も、世間一般の普通、に対応する自信はないですね、正直」と、真尋の発言に同意して 22:48 >Hooky< 【真尋】「センパイも、なんだ。えへへ、なんか安心しちゃった」同意を得た途端、歩みに力が戻る。「でもさ、想ってるだけ、って…みんなそうじゃないかなぁ」 22:49 【きの】「……ほう?」その言葉に、興味を引かれたように「その言葉の真意は?」と、尋ねて 22:52 >Hooky< 【真尋】「あ、鍵開けるね」体育倉庫に到着「真意…。っていうかさ、みんな片思いしてるんじゃないかな。それに相手が自分のことをどう思ってるかなんて判らないし」ゴソゴソと鍵を開けつつ。 22:54 【きの】「……まあ、それもそうですが、ね」と、頷き「……相手の気持ちまで分かったなら、それは既に心理学者ではなく、超能力者の粋、ですからね」 22:57 >Hooky< 【真尋】「自分にやさしくして欲しいから、人にやさしくできるんじゃないかな、ってなんか変なこと言っちゃったね」てへへと照れ笑い「うっわ暑っつぅ」扉を開けた熱気に閉口。 22:59 【きの】「まあ、世の中がそういう人だけだと、ありがたいのですがね」と、例のクラスメイトを取り囲む環境を考えつつ「……本当にいい熱気ですね、素晴らしい程に」と、制服の上着はきておらず、ワイシャツのみとはいえ、その熱気に唖然として 23:00 >Hooky< 【真尋】「…世の中ってむずかしいね」あまり実感の伴わない言葉。「えっと、じゃあカゴはこっちに。ネットは…」片付け場所を教えつつ。 23:02 【きの】「やれやれ、これはお礼の追加分も、かなりのモノを要求できそうですねえ」と、指示通りに動きつつ「……迂闊に手伝う、などといったのが間違いだったのでしょうけども」 23:03 >Hooky< 【真尋】「センパイ、甘いものダメなんだよね。何がいいかなぁ」脚立に乗り、ネットを棚にしまいながら尋ねる。 23:04 【きの】「それは、お任せしますよ」と、微笑み「そういうものは、内緒で何か驚くようなものでもいただけると、なかなかに嬉しいですね」などと冗談をいいつつ 23:06 >Hooky< 【真尋】「驚くよなもの、かぁ。でもセンパイって何見ても驚かなさそう」勝手な憶測を口にしつつ「よし、これで終わり。どうもありがとうございました」と埃をパンパンと払って、ペコリと頭を下げる。 23:08 【きの】「さて、これでも驚くことは色々とありますよ? 新しい発見などが会ったときは特に」と、反論を述べつつ「終わり、ですか。いえいえ。どういたしまして」と、軽く会釈で返礼をして 23:13 >Hooky< 体育倉庫を出る二人。 23:13 >Hooky< グラウンドには夕日に照らされた二人の影が長く伸びている。 23:13 >Hooky< どこにでもありそうなありふれた光景。 23:13 >Hooky< 何事も無く一日を終終えようとしている平和な日常。 23:13 >Hooky<   23:13 >Hooky< 少なくとも今日は。 23:13 >Hooky<   23:13 >Hooky<   23:13 >Hooky<