あったかいお日様の光が、ほらあなの入り口からさしこんできた。干し草のベッドが金 色の光でいっぱいになる。ボクはそんな光のまぶしさと、やわらかな干し草のにおいで、 ちょっとうとうとしながら目がさめた。  ヒゲに絡みついた干し草を払って、う〜んっと背伸びする。ぴんと尻尾を立てて、から だ中に朝の空気を吸いこんで、ようやく頭がはっきりしてきた。今日もいい天気みたいだ。 ボクはちょっと耳をパタパタさせながら、今日1日のことを考えようとした。もう秋も終 わりにさしかかっている。そろそろ本格的な冬ごもりの準備をしなくちゃいけない。今日 は……どんぐりでも拾いに行こうかな?そう思ってボクはベッドから起き上がろうとした。 起き上がろうとした、その時だった。 「ロ〜〜ッカぁ!!起〜き〜ろ〜〜!!」  森中に響くような大きな声と一緒に、入り口から栗色をした影が跳び込んできた。影は ベッドから上半身を起こしたボクの上にどすっと覆い被さって……く、苦しいよ!息が出 来ない!いったいどうしたんだ! 「ロッカ、いつまでも寝ていると、おめめが溶けちゃうぞ!」  あぁ、ボクはなっとくした。ボクの上にのしかかっている女の仔はファトハ。ボク、ロ ッカと同じ、二歳になったばかりの幼馴染だ。とにかく元気でくるくる動き回って……森 のみんなはファトハのことを太陽みたいな女の仔って呼んでいるけど、ボクに言わせたら ファトハは絶対、台風だ。通りすぎる時、そばにあるものを何でもかんでも壊しちゃう。 なんとかかんとかファトハを押しのけて起き上がりながらボクはそんなことを考えた。  と……その時、何だかとってもいいにおいがした。ファトハのたてがみのにおい。なん だろう、昨日まではこんなにおいしてなかったよね?  ボクが不思議に思っていると、ファトハは牙をむきだしにしてニハハハハと笑いながら 「なにボーっとした顔してるの?!早くどんぐり集めないと冬になっちゃうよ!」と言っ た。  ボクはとりあえずうなずいてファトハと一緒にボクのほらあなを出た。もともとどんぐ り拾いをするつもりだったし、二人一緒ならきっとたくさん拾えるにちがいない。そう思 ってボクはファトハと二人分の袋を用意して、森の奥、どんぐり林に行くことにした。 「ところでファトハ?どうして袋を持ってきていないの?」不思議に思って歩きながら僕 が聞くと、ファトハはまたニハハハハと笑いながら 「なくしちゃったんだ。でも、ロッカんチに行けば二つくらいあると思って。ね?」  あ〜、ファトハはそういう仔だったよな〜。ボクは半分あきらめながら、ぴょんぴょん と跳ねるようにして先を行くファトハの後についていった。  ファトハの後姿を見ながらちょっと思う。ファトハは一匹前のメスになったら、たぶん、 すごく美人になるって。ボクの毛皮は灰色一色でお世辞にもキレイとは言えない。けど、 ファトハの栗色の冬毛はお日様が当たると金色に輝いて、まるで小麦畑を見ているみたい だ。長いたてがみはそれこそお日様の色をしている。ふさふさのシッポとお尻もかわいい し、手足の肉球はみんなピンク色をしている。それにくらべてボクの肉球はほとんど真っ 黒。見ていてファトハがうらやましくなってしまう。 「どうしたの〜?」  ファトハが振り返りながら怪訝そうにたずねた。ボクは何でだか知らないけど真っ赤に なってしまった。あれ?どうしてボク、今日はこんな気分なんだろう? 「変なロッカ〜」  ファトハはそういうと、ころころと転げるようにしてどんぐり林に続く坂道を駆け上っ ていった。  一時間もしないうちに二つの袋はどんぐりで一杯になった。今年は夏の間にたくさんお 日様が照ったから、どんぐりがたくさん取れる、長老がたしかそんなことを言っていたこ とをボクは思い出した。 「いっぱい取れたね〜」  ファトハがうれしそうにそう言って、どんぐりを拾うためずっとかがめっぱなしだった 背筋を伸ばした。ボクも一緒になって背伸びをして胸いっぱいにどんぐり林の空気を吸い 込んだ。  あれ?  地面のほこりの匂いがする。これは……雨の匂いだ!強い雨が地面を叩いてほこりを巻 き上げる匂い。 「ファトハ、雨の匂いがする!」ボクはファトハに伝えた。これだけ強い匂いだと、ひょ っとしたらとっても激しい雨になるのかもしれない、木々の間から空を見上げると、南の 方に真っ黒な雲がもくもくと立ち上っていた。 「ほんとだ!ロッカ、どうしよう?」  ファトハがボクにたずねる。って、たずねるまでもないじゃないか。急いで帰らないと ずぶぬれになっちゃうよ!  ボクとファトハはあわてて袋の口を結んで、森に帰ろうとした。だけど…… 「ロッカぁ〜、これ、重いよ!!」  ファトハが音を上げた。せっかくだから、と思ってたくさんどんぐりを拾ったのが悪か った。いっぱいいっぱいに袋に詰め込んだどんぐりは、まだまだ一匹前じゃないボク達に はちょっと重すぎた。なんとか持ち上げてよろよろと運んで、少し進んだら重さにたえか ねて地面に降ろす、ボク達はそんなことを何度も繰り返した。結局、中身を減らせばいい んだ、って気がついた時には、もう遅すぎていた。  ぱら、ぱら……  ぽつぽつと降りはじめた雨は段々強さを増していって…… 「やだ〜、毛皮がぐっしょりになっちゃうよ〜!!」ファトハが半分、泣きべそみたいな 声で悲鳴を上げた。ボクだって泣きたい気分だよ。だけど、泣いているだけじゃどうしよ うもない、ボクはなんとか雨宿り出来そうな場所を探した。と言っても、ここは林の中。 洞穴があるわけでもないし、ひさしになるような岩もない。どうしよう……ボクがそう思 っているときだった。ファトハが叫んだ。 「あの木の洞!あそこに隠れよう!」  ちょっと大きめの木の根元にちいさな洞が空いていた。ちょっと狭いけど、ボク達二人 が隠れるくらいの大きさはある。ボク達はどんぐりの袋を放り出してその木の洞に駆け込 んだ。 「はぅ〜、びしょびしょに濡れちゃったよ〜」  ファトハはそう言うと雨でしっとりと濡れた毛皮をぺろぺろとなめて乾かしはじめた。 もちろんボクも自分の毛皮をなめはじめる。あ〜あ、朝はあんなにいいお天気だったのに、 どうして急にこんな雨になってしまうんだろう? 「ね〜ロッカぁ、たてがみと背中なめてくれない?」ファトハは自分のお腹の毛皮をなめ ながらボクにそうたのんだ。いくらファトハの体が柔らかくてもたてがみや背中の方はな められない。しかたがないのでボクはファトハの後に回ってそのお日様色のたてがみをな めはじめた。  ふわっ、  とってもいいにおい。今までかいだことがないのに、どこかなつかしくてやさしいにお い。ファトハのたてがみをなめているボクの鼻にそんな臭いが流れこんでくる。  たてがみをなめおわったボクはそのまま首筋、うなじのあたりをなめようとした。 「やんっ!」  ファトハが体をぴくりと跳ねさせるようにして小さな悲鳴を上げた。 「どうしたの?」あわててたずねるボク、 「ん……なんでもない」なぜか顔を紅潮させてこたえるファトハ。 「もっと、続けて」 ボクはファトハのうなじから背中の方に舌を進めていく。と、だんだんファトハのいいに おいが強くなってくるのを感じた。それに、どうしてだろう?このにおいをかいでいると、 だんだん頭の奥がボーっとなってきて、とっても不思議な気分になってくる。ボクはなめ ることよりもそのにおいのことが気になってきた。フンフン鼻を鳴らしてにおいの元を探 してみる。においは……下の方からする。ボクはにおいをかぎながら、段々、ファトハの 身体の下の方に鼻を押し付けていった。 「あっ……」ファトハが小さくため息をついた。  でもボクにはファトハの声が全然届いていなかった。においの元を探すのに夢中だった から。ボクはファトハの背中から腰へと、鼻をクンクンと鳴らせながらすべらせていく。 ……あ、ここだ。ボクはファトハの両足の間に鼻をもぐらせた。とってもいいにおいがボ クの頭をくらくらさせる。  ファトハの股はぐっしょり濡れていた。でも、それは雨のせいじゃなかった。もっとぬ るぬるした、とってもいいにおいのするファトハの体液が、そこにしっとりとにじみだし ていた。  ボクはそんなファトハの股をちょっとなめてみた。舌でファトハの毛皮の隙間をぬって ほっそりとした割れ目の中をなぞる。ファトハが小さな声をあげた。くすぐられて喜んで いるような、そんな悲鳴。だからボクはもっと舌をはわせた。何度も、何度も。その度に ファトハは小さく声をあげる。ボクは夢中になってファトハの股をなめつづけた。ファト ハの股からはぬるぬるがどんどんあふれて、そのにおいにボクは夢中になってしまってい た。  と、突然、ボクは自分の股の間で何かがもぞもぞとするのを感じた。最初、ボクはそん なことを気にしないでファトハの股をなめて、においをかいでいた。でも、そうやってい るうちにボクの股のむずむずはどんどん強くなってくる。そのうちに心臓のドキドキに合 わせるように股のむずむずもズキンズキンと脈打つようになってきた。  ボクはちょっと不安になって、自分の股をチラッと見た。  びっくりした。  本当にびっくりした。だって、ボクのおちんちんがとっても大きくなって上向きにせり 上がって、その先っぽから真っ赤なかたまりが顔をのぞかせていたんだもの。  でも、ボクはそんなに自分のからだの変化にびっくりしている暇がなかった。だって、 ファトハがボクを両腕でギュッと抱きしめてきたから。股のところをなめていたボクの顔 はファトハの顔の前にひっぱり上げられ、お互いの股と股が密着する感じになる。ファト ハはとってもうるんだ目でボクをみつめながら、ボクの鼻頭をぺろりとなめた。 「ロッカぁ……」ファトハがボクの名前をつぶやいて、もう一度ボクの鼻頭をなめる。ボ クもファトハの名前を呼びながらファトハの鼻頭に舌をはわせた。ファトハのボクを抱き しめる腕に力が入る。ボクもファトハをギュッと抱きしめた。ファトハのからだはとって も熱くて、ステキなにおいがしていた。だからボクはファトハのくちびるを一生懸命にな めた。ファトハもボクのくちびるにその小さなくちびるを重ねてきた。お互いのくちびる でくちびるを感じながら、ボク達は相手の舌をなめっこする。  その時、ボクは背筋をなにかが駆け抜けていくのを感じた。ウズウズする感じがボクの 腰のあたりを駆け巡って、ボクは思わず、腰を前後にちょっと動かしてみた。おちんちん がファトハの毛皮にこすれる。と、同時にぞくぞくするような快感がボクの全身を駆け上 った。おそるおそるもう一度腰を動かしてみる。ぞくぞくっと、また背筋を快感が駈け抜 ける。ボクは、夢中になって腰を前後に動かした。止まらない、だって気持ちがいいんだ もの。  と、ファトハが両足をボクの腰に絡みつかせた。そしてぐいっとボクの腰をファトハの 股間に引きよせた。  ずにゅっ……  そんな音がした。ボクのおちんちんがファトハの股間、割れ目の奥にずっぷりともぐり こんでいく。  あぁ、とボクはため息をもらした。  んっ、とファトハが小さく声をあげた。  ボクのおちんちんはファトハのおなかの中に深くもぐりこんでいた。ファトハの股間が ボクのおちんちんをぎゅっとしめつける。ボクは何もかも忘れて腰を突きいれた。  ファトハが小さく喘いだ。ボクのおちんちんはファトハの奥までつらぬいていた。ボク はちょっと腰を引いて、またおちんちんを深々とおくりこむ。ボクのおちんちんがファト ハの中とこすれる。それは頭をとろけさせるような気持ち良さだった。ボクは無我夢中で ファトハの中に何度もおちんちんをつきたてつづけた。  ファトハがボクを抱きしめる。ボクもファトハを抱きしめる。お互いのシッポをからみ あわせる。ボクはファトハの中に何度も何度もおちんちんを突きいれる。抱きしめたファ トハの毛皮が汗に濡れていた。シッポが僕のシッポをからめとるようにうごめく。ボクは ハァハァとあえぎながら、おちんちんをファトハの中に突っ込んだ。そのたびにかけあが る不思議な気持ち良さ。 「         ……!!」ファトハが声にならない声をあげた。 「         ……!!」ボクもファトハにこたえた。  ファトハも気持ちいいのかな?ファトハもボクみたいに頭がくらくらするような快感を 感じているのかな?  ボクはファトハを抱きすくめて力いっぱい腰を動かした。  と、突然、ボクの腰の奥から、何かがせり上がってくるのを感じた。今までにない快感 に全身がしびれるのを感じた。それが何か分からないまま、ボクは身体がボクに命じるま まに、腰を、おちんちんをファトハの一番奥にまで突き入れた。  どくん、どくん ボクの背中を雷が突け抜けていった。ものすごい快感といっしょに、おちんちんの中を熱 い塊が駆け上がる。頭が真っ白になる。キモチイイ。熱い塊はファトハの中を満たし、さ らに奥まで注ぎ込まれていった。ボクは、何だか全てをやり遂げたような、そんな気持ち になって……  そのまま眠りに落ちていった。  誰かがボクのヒゲを引っ張っていた。痛いなぁ、やめてよ。ボクはヒゲをぴくぴくとゆ らしてそれをよけようとした。でも、ヒゲを引っ張る誰かはそんなことを気にもせず、僕 のヒゲをちょんちょんと引っ張る。せっかくとってもいい気持ちで寝ていたのに……ボク はもそもそと目を覚ました。  あお向けに寝っ転がったボクの上にファトハがまたがっていた。  ニハハハハ、とファトハが笑う。  そして、ファトハはひょいっと腰を上げる。  ファトハの股間からボクのおちんちんがずるりと抜ける。 「あ……」ようやく頭がはっとする。ボクは眠るまで自分がファトハにしていた事をやっ と思い出した。あんまりにも気持ちが良かったのでむちゃくちゃにファトハのからだにお ちんちんを突き入れていたけど……ひょっとしてファトハは痛がっていたんじゃないだろ うか? 「えへへへへへ、何だかよくわからなかったけど、とっても気持ち良かったね?」  僕の心を見透かしたようにファトハはそう言って、  ニハハハハと笑った。  雨はすっかり上がっていた。とってもきれいな夕暮れ空を見上げて、ボク達は放り出し たままになっていたどんぐり袋をかついで一緒に森に帰っていった。  お互いのシッポをからめ合わせながら、とっても幸せな気持ちで……。