21:51 (misutan) かちゃり 21:51 (misutan) 扉を閉めると我知らず溜息が漏れる 21:51 (misutan) ブーツも、手袋も、血で汚れてしまった 21:52 (misutan) 怪物の血ではなく、人の血。それも、大部分は、普通に暮らしていた人の 21:53 (misutan) 確か、二人は初陣か、初陣に近かった筈だ。大丈夫だろうかと、思考を巡らす 21:54 (misutan) 椅子の背もたれに、手袋を掛け。少し強張った手を揉み解す 21:55 (misutan) 大きく、リュウキが貢献してくれたとはいえ。機関車1両を壊したのだ、身体中に疲労が溜まっている 21:55 (misutan) それとも溜まっているのは、別の物だろうか…… 21:56 (Fake_) 【フィア】「……人の血なんて、見慣れてるはず、なのに…」返り血で染まっているローブを着替えようともせずに、そのままベッドに倒れこむ 21:58 (Fake_) 目を閉じると、あの少女が両親と共にいる姿。電車に乗る前の、あの姿が浮かび上がってくる 22:00 (Fake_) 【フィア】「護ろうと思った、のに……護れっ…」最後まで、言葉を紡ぐことすら出来ず。小さく肩を震わせ 22:05 (misutan) こんこん 22:05 (misutan) 柔らかく、木を叩く音が。嗚咽の混じりかけた空気を破る 22:06 (misutan) 【ウィノナ】「フィアさん、いらっしゃいますか?」 22:06 (Fake_) 【フィア】「っ……ウィノナ…?」小さな身体をびくっと震わせて。身体を起こし、ドアの方を見る 22:07 (misutan) 【ウィノナ】「ええ、そうです」扉の向こうから、聞き慣れたウィノナの声が聞こえる 22:07 (Fake_) 【フィア】「……鍵は、かかってないから」極力平静を取り繕った声で、返事を返して 22:08 (misutan) 【ウィノナ】「では、お邪魔しますね」静かに扉を開き、侵入してくる黒猫 22:09 (misutan) 【ウィノナ】「あんな事の後ですから、皆さんが心配で」と、後ろ手に静かに扉を閉める 22:10 (Fake_) 【フィア】「…うん」部屋の明かりもつけずに、まだ血の跡の残る服のままベッドに腰掛けている 22:11 (misutan) 【ウィノナ】「まだ、着替えていなかったんですか?」苦笑と、そろりと近付く気配 22:12 (misutan) そして、スプリングの軋む音と、傾きが。隣に彼女が座った事を教える 22:14 (Fake_) 【フィア】「…少し、疲れちゃって」力なく笑う。何時ものような笑みではなく、力無く。 22:16 (misutan) 【ウィノナ】「なら、着替えさせて上げますよ。楽にしていて下さい」くすりと、笑む気配と共に、横の人影が立ち上がり。勝手知ったるが如くに、クロゼットを開く 22:18 (misutan) 暫く、布地を、闇をまさぐる、衣擦れの音が空間を支配し 22:18 (Fake_) 【フィア】「……」小さなため息。その瞳の端には、涙がうっすらと 22:20 (misutan) 【ウィノナ】「泣いて、いたんですか?」ほっそりとした影が覆い被さり、目尻を舐め 22:21 (Fake_) 【フィア】「っ……うん…。」身体をびくっと震わせて、ウィノナの方を見る。返事を、ただ正直に返すしかなくて 22:23 (misutan) 【ウィノナ】「我慢する事は、無いんですよ? どうせなら、着替える前に……ね?」いつもするように、すっぽりと。胸にフィアを収めて 22:24 (misutan) 闇の中、御互いの表情は見え辛く。二人の少女の影と、家具の陰。そして、乾いた血の臭い 22:26 (misutan) ウィノナは、一回着替えて来たようで。乾いた洗濯物の香りと、少し汗の匂いがする 22:27 (Fake_) 【フィア】「っ…。う、っ…」顔を胸に押し付け、漏らす嗚咽の声。小さな身体を震わせて、涙を流す 22:29 (misutan) いつもと違って、背に回された手は動かず。ただ、じっと、響き渡る声と、震えを抱き留めて 22:30 (Fake_) 【フィア】「わたし、シリアの…あの子の両親を…。助けられなかったっ……」絞り出すような声で。血を吐くような、悲痛な声で…。 22:31 (misutan) 【ウィノナ】「フィアさんが、じゃないでしょう? 私も、助けられなかった一人です」その声は、あんな事の直後だというのに、いつものように落ち着いていて 22:34 (Fake_) 【フィア】「護りたかった、のに…。あの子の幸せを……」嗚咽を漏らしながら涙を流し、手を握り締める。 22:36 (misutan) 【ウィノナ】「私も、護りたかったですよ。フィアさんの幸せを。でも、今、泣かせてしまっている。ごめんなさい」握り返す力を、少し強め 22:38 (Fake_) 【フィア】「(ふるふると、首を左右に振って)ウィノナの、せいじゃ……っ、ひっく…」少し、落ち着いてきたのか。身体の震えを止め、抱き締めてもらっている相手の顔を見上げるようにして 22:40 (misutan) 【ウィノナ】「なら、あの子……シリアさんでしたか。シリアさんの涙も、フィアさんのせいじゃありませんよ」位置を確かめるように、瞼に口付け、左右の目尻を啜り 22:41 (misutan) 【ウィノナ】「しょっぱい……ですね」背に回した腕に、力を込めて 22:43 (Fake_) 【フィア】「……頭では、わかってる。けど、けどっ…。もっと、出来たことがあるんじゃ、無いかって…そう考えると、どうしようも、無くて…!」何時もの彼女とは違う、感情だけで吐き出す声。 22:47 (misutan) 【ウィノナ】「なら、吐き出してしまってください。全部、私が搾って吸い取ってあげますから」少し苦しくなるくらいに、フィアの頭を胸に押し当て。自分の嗚咽が、聞こえ難くなるくらいに 22:48 (misutan) 【ウィノナ】「涙も悲しみも。吐き出さなくっちゃ、壊れてしまいますから」三角の耳に、囁き 22:49 (Fake_) 【フィア】「…ひぅっ…。っ……うぁぁぁぁん…」堰を切ったように、泣き声が響く。どうしようもない感情の暴走を、抑えることも出来ずに 22:52 (misutan) 【ウィノナ】「だから、そんなに自分を責めないでいてあげてください」ぽんぽんと、ゆっくりと、背を叩く。幼子が泣き止むのを待つように 22:55 (Fake_) 【フィア】「っ…、ぅっ……わかってるのに…」ウィノナの胸に顔を押し付けたまま、肩を震わせて 22:57 (misutan) 【ウィノナ】「分かっているのにどうしようも無いから、人間なんですよ。笑って、怒って、泣いて。それで、いいんです」 22:58 (misutan) 叩く速度は、落ち着いた心臓の速度。ゆっくりと、規則正しく 22:59 (misutan) 【ウィノナ】「そんな時は、ショートさんや、私。みんなに頼って、いいんですよ。みんなも、あなたを頼りますから」 23:01 (misutan) 【ウィノナ】「今は、フィアさんの番」頭を、撫でて銀の髪を梳る 23:01 (Fake_) 【フィア】「…うん、うん……」少し、落ち着いてきたのか。身体の震えが収まっていく 23:04 (misutan) 【ウィノナ】「空っぽになるまで、泣けました?」背を叩く手を休めて 23:06 (Fake_) 【フィア】「……(小さく頷いて)昔は、こんなの。なんとも思わなかったのに…」 23:07 (misutan) 【ウィノナ】「昔は昔、今は今、ですよ。私も、多分ショートさんも。今のフィアさんの事が好きですよ?」軽く、おでこにキスをして 23:09 (Fake_) 【フィア】「ぁ…(キスされて、少し顔が赤く)。家族は大事なものだから…護りたいと思ったのに、な」少しだけ、身体の力を抜いて 23:12 (misutan) 【ウィノナ】「何かを得る事と、何かを失う事とは、同じ天秤の上。もし、あそこで強行突破をしたとして。その代わりに、散弾で誰かが犠牲になっていたら。それは、きっと幾つもの家族を失わせたでしょう」 23:13 (misutan) 【ウィノナ】「それでも、あの方達を助けられたかどうかは、分かりませんけれどね。だから、私は確実に助けられる方を選びました」 23:13 (Fake_) 【フィア】「…ウィノナが撃たれた時…。凄く、怖かった……失いたくないものを失うのは……いや」ぎゅっと、ウィノナの服の裾を握り締めて 23:15 (misutan) 【ウィノナ】「私は死にませんよ。私が死んだら、ミヨさんやフィアさん。多くの人達が泣くと思いますから。自惚れでしょうか?」くすりと笑う気配と共に、耳に唇を寄せ 23:18 (Fake_) 【フィア】「自惚れじゃない……ウィノナ。強いよ、ね…」 23:19 (Fake_) 泣き止み、身体の力を抜いたまま。ウィノナに寄りかかるようにして 23:20 (misutan) 【ウィノナ】「みんなのお母さんですから。同い年、ですけれどね」と、肩を抱いて支え 23:22 (misutan) 【ウィノナ】「護るべき物があると、人は強くなれるんですよ。幾らでも、とは行きませんけれどね」対象を示すように、頬に口付けて 23:24 (Fake_) 【フィア】「…うん……護るべき物…か」目を細めて、少し考えるように 23:26 (misutan) 【ウィノナ】「でも、ね。大事なものを護るためには、それより大事じゃないものを切り捨てなきゃいけない事もあるんです」静かに、淡々と 23:27 (Fake_) 【フィア】「今は……私にも、護りたい物がある…」ぎゅっと、ウィノナの身体に腕を回して 23:30 (misutan) 【ウィノナ】「なら、大事なものを明確にして、必要な時にどちらをとるか迷わない事。そして、取りこぼしてしまった時は、後で素直に泣く事」 23:31 (Fake_) 【フィア】「……私は、昔と変わった…のかな(小さく息をついて) このギルドのメンバーが……今の私の、一番護りたい物」 23:31 (misutan) 【ウィノナ】「さっきの、フィアさんみたいにね」からかうような口調で 23:31 (Fake_) 【フィア】「……うん」ちょっと恥ずかしそうに俯いて 23:33 (misutan) 【ウィノナ】「確かなものが心にあれば、多少ぐらつく事があっても、収まるべき所に収まります。だから、ぐらつく事を恐れないで下さい」フィアの頭に、顔を埋め 23:35 (misuta) 【ウィノナ】「確かなものが心にあれば、多少ぐらつく事があっても、収まるべき所に収まります。だから、ぐらつく事を恐れないで下さい」フィアの頭に、顔を埋め 23:36 (misuta) 【ウィノナ】「硬くて動かぬ物ほど、壊れ易く脆い物は無いんですから」 23:36 (Fake_) 【フィア】「うん。そうだよね…、私は……」目を閉じ、少しだけ回した腕に力を込めて 23:37 (misuta) 表情は、フィアの頭に隠れ。闇に慣れた目でも、見えない 23:38 (Fake_) 【フィア】「ウィノナに、助けられてばっかり……だな」ふぅ、と息を吐いて。くすっと笑って 23:38 (misuta) 【ウィノナ】「それと、大事な物が無くなった時。すぐさま安易にそれを得ようとしない事」堪能したのか、頭を上げて 23:39 (misuta) 【ウィノナ】「でないと、彼女になってしまいますよ」リュウキの部屋の方を見詰め 23:39 (misutan) その部屋には、唯一の彼女の遺品。名も知らぬ少年の写ったロケットがある筈だ 23:40 (Fake_) 【フィア】「……うん、わかる。あの人も…辛かったんだろうけど」自分の手、彼女を貫いた自分の手を見つめて 23:41 (Fake_) 【フィア】「…大事な物は、簡単には得られないから大事なんだって」少し体勢を変えて、ウィノナの顔が見えるように 23:42 (misuta) 【ウィノナ】「フィアさんなら、大丈夫ですよ。泣き顔と涙、御馳走様でした」そこには、いつもの。人を安心させるための笑顔があって 23:43 (Fake_) 【フィア】「…ウィノナ」ぎゅぅっと、腕に少し力を込めて 23:44 (misuta) 【ウィノナ】「フィアさん?」ちょっと戸惑ったような声と共に、数秒遅れで抱き返す力を強め 23:49 (misuta) 【ウィノナ】「どうしたんです、恥ずかしくなっちゃいました?」と、からかうような調子に戻し 23:49 (Fake_) 【フィア】「……ウィノナのこと、支えられたらいいのに。何時も、何時も……支えてくれるから」目を閉じたまま、小さな声で呟いて 23:51 (Fake_) 【フィア】「……恥ずかしいとか、じゃ無くて。暫く、このままがいい……我が儘、だけど」 23:51 (misuta) 【ウィノナ】「大丈夫ですよ。フィアさんが、皆さんが居る事が、私の支えですから」と、静かにフィアを抱いたまま 23:53 (Fake_) 【フィア】「…うん」頷いて、抱かれた身体の力を抜いて 23:53 (misuta) 【ウィノナ】「こんな我が儘、我が儘の内に入りませんし。ちょっといい子過ぎて、お母さん逆に困っちゃいますよ」と、頭上で笑む気配 23:56 (Fake_) 【フィア】「ウィノナの、お母さんじゃなく……私と同じ年の、ウィノナも……」そこまで呟いた後、ぽふっと完全に身体の力が抜けて 23:58 (misuta) 【ウィノナ】「そんなにオバサン臭いですか?」苦笑しつつ、ローブの留め紐に手をかけて 00:00 (Fake_) 【フィア】「ぁ…違う、よ。時々ね…感じるの。ウィノナが、どこかで無理してるんじゃないかって……私の、思い過ごしなのかな」 00:02 (misuta) 【ウィノナ】「……そんな事言って、逃げようとしてもダメです」するっと、ローブを脱がしながら。でも、問いかけの瞬間、確かに手は止まっていて 00:03 (Fake_) 【フィア】「きゃ……(抵抗することもなく脱がされ、下着姿に)…ウィノナ……」ぎゅっと、もう一度抱き締めて 00:05 (misuta) 【ウィノナ】「もうっ。そんなしがみ付いたら、着せられないじゃないですか」ふぁさりと、ナイトローブを肩紐だけの肩にあて 00:06 (Fake_) 【フィア】「うん…自分で着るよ」身体を離して、ナイトローブを受け取り。身体が冷えないうちに着替え 00:07 (Fake_) 問いかけの瞬間に手が止まったのは、気づきはしているけどそれ以上は追求できなくて。 00:08 (misuta) 【ウィノナ】「今日も、一緒に寝ますか?」くすりと笑って、血の臭いのするローブを畳みながら 00:10 (Fake_) 【フィア】「うん……ミヨには悪いけど、お願い…」少し恥ずかしそうに、顔を伏せて 00:12 (misuta) 【ウィノナ】「こんな時間から、ミヨさんのおうちに行くつもりはありませんよ」苦笑しつつ、洗濯籠にローブを入れ、廊下に出して 00:14 (misuta) 【ウィノナ】「ちょっと、ごわごわしませんか?」普段着のまま、ベッドに滑り込み 00:15 (Fake_) 【フィア】「ううん…大丈夫、だよ」ベッドに入り、ウィノナに寄り添って 00:16 (misuta) 【ウィノナ】「それでは、お休みなさい。良い夢を」フィアの手を、両手で握って 00:17 (Fake_) 【フィア】「……お休み、なさい」泣いて体力を消耗していたのもあるのか、すぐに寝息を立て始めて 00:18 (misuta) 【ウィノナ】「今度は……上手くやりませんとね」寝顔を見、そっと呟く 00:19 (misuta) それは、代行としてか。それとも、母の仮面を被った者としての呟きか